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もはや河和田の一部!?夏に現れるアートな若者達【河和田アートキャンプ】

夏になると鯖江市河和田地区は大学生で賑わっています。なぜなら河和田アートキャンプがあるからです。

 

拠点は荘厳な古民家。その中で一体何をしているの?

 

河和田アートキャンプは、京都の学生が、夏休み期間中河和田(co-minka)に滞在し、地域とともに「プロジェクト」を行っています。

これまでに滞在した学生は、約900人を超え、全国から50大学の参加歴があります。

今回は、学生のみなさんが滞在している古民家(co-minka)におじゃましました!

 

ここが古民家(co-minka)

 

中はこんな感じ

 

古民家の中には作品らしきものがいたるところにありました。

 

 

ここに60人ほどがくるそうです。

全員がずっと滞在するのではなく、8月9日から9月23日までの間で、入れ替わりで来ます。だいたい常に30人くらいはこの古民家で暮らしているそうです。

 

 

ここでの生活は…結構過酷そうですね

 

学生はここで、自分の持っている「プロジェクト」を進めていきます。

「プロジェクト」とは、学生が地域の問題や自分のやりたいことをすり合わせて作った「企画」のこと。

 

前年の10月頃から今年はどんなプロジェクトをやろうか、と考え始め、5月からは月1回河和田に来て地域住民との会議などをします。

そして磨き上げてきたプロジェクトを実践するのが、8月から9月にかけてのキャンプ期間。

 

「キャンプ」と名がついていますが、1年かけてプロジェクトを実践するのですね。

 

この日もなにか作っていました

 

アート!?まちづくり!?プロジェクトで学生が目指すもの

プロジェクトは今年は8個。同時進行で進んでいきます。

各プロジェクトにはリーダー的存在のディレクターがいて、全員なにかのプロジェクトに属しています。なかには掛け持ちする人も少なくないみたい。

 

わたしたちにお話を聞かせてくれた西村さんがプロジェクトのことを教えて下さいました。

 

「一昨年のプロジェクトだと、使わなくなった日用品や福井豪雨で傷んでしまった机などを漆でコーティングするというものがありました。」

 

漆は防腐効果があり長持ちします。

傷んでしまったものをまた使えるようにもできますし、使われなくなったものをデザインを変えることで新たな価値が生まれます。

また、日用品が漆で塗られることで、今まで漆に手の届かなかった人に漆に触れるチャンスを与えることができます。

 

河和田は漆器の産地です。

その漆を広めることもできますし、アート作品にもなる。

 

プロジェクトでは、アートの力をどれだけ河和田の地域や生活に活かせるかをみんなが考えているようでした。

 

河和田への思いがある。プロジェクトの根底にあるもの

「芸術が社会に貢献できることはなにか」

をコンセプトに活動するアートキャンプ。

そもそも河和田アートキャンプは、2004年の福井豪雨がきっかけで始まった活動です。

 

福井豪雨の河和田の写真 

 

この福井豪雨では、河和田地区も大きな影響を受けました。

そこで、京都の学生が、元気を届けられるワークショプを開催しました。

 

河和田アートキャンプ初期の写真 

福井豪雨で失われた、子どもたちの楽しい夏休みを取り戻そうと実施したWS

 

その活動が、翌年には「河和田アートキャンプ」として活動開始。災害支援活動として発足しました。

 

福井豪雨の影響が落ち着いてきた2008年で、災害支援活動としてではなく、地域振興活動に転換します。

 

「まちを元気に」という思いが受け継がれ、15年目となる今年も、学生が河和田のまちと共に、もがきながらアートを生み出しています。

 

アートキャンプは、河和田の町の一部なのではないか

 

西村さんは今年で3回目の参加。西村さんの他にも、去年も参加していたという学生は多そうです。

1年がかりの、しかもかなりハードな河和田アートキャンプに何回も参加するということは、アートキャンプで学べることがかなり大きいのではないか…

 

そう思い、今年も参加しようと思った動機を聞いてみました。

 

「去年出会った河和田の人に会いに来る感覚です」

 

予想外の答えにびっくりしてしまいました。

まるで親戚に会いに来るんです、というような言い方…

このキャンプを通して、河和田が、学生の第2の故郷になっていくのかもしれません。

 

一方、まちの人々にも学生の存在は広く知られているよう。

私はRENEWのインターンで河和田に滞在していましたが、大学生と言うと幾度となく「あー、アートキャンプの子?」

と言われました。

 

まちの人にも河和田アートキャンプの存在が、浸透しているんだと体感しました。

 

実はRENEWのディレクターの新山直広さんも、河和田アートキャンプがきっかけで河和田に移住しています。

 

学生は河和田とともにアートを生み出し、河和田は学生を受け入れる。

河和田アートキャンプという活動は、まちの一部になっていると言えるでしょう。

 

RENEW期間は、学生が滞在しているあの古民家で、今年の活動と15年の活動を展示をしています。

 

河和田に来たからには、まちの一部となっているアートキャンプの活動を見てみてはいかがでしょうか?

 

<出店者紹介>

〒916-1222 福井県鯖江市河和田町15−12−1

TEL:090-8447-8427

紹介ページ:https://renew-fukui.com/2020/kanri/exhibitor/kawada-art-camp/

RENEW期間中の営業時間:12~14日 10:00~17:00