越前鯖江のものづくり

鯖江市・越前市・越前町がある越前鯖江には、越前漆器・越前和紙・越前打刃物・越前箪笥・越前焼といった
伝統工芸に加え、眼鏡・繊維などの7つの地場産業が半径10km圏内に集まる、
世界でも有数のものづくりのまちです。

越前漆器

河和田エリア

1500年続く
漆の美と強さ

鯖江市河和田地区は、
1500年以上の歴史を持つ越前漆器の産地。

漆の硬化に適した湿潤な気候のもとで
漆器づくりが発展し、
技術と文化が受け継がれてきました。

分業制で漆器が作られるこの地域では、
木地師や塗師、蒔絵師の職人たちが連携し、
越前漆器の品質を支えています。
産地のこぼれ話

若者が行き交う、開かれた産地

漆器のまち、河和田地区では移住者が行き交い、シェアハウスも年々増加。県内外の若い職人たちが、産地の技術を受け継ぎつつあります。デザイン性の高いBtoC向け商品が生まれ、工房併設ショップも増えています。

越前和紙

今立エリア

清らかな水が育む
紙の技と多様性

「そろわない和紙はない」といわれるほど、
種類も生産量も日本一の和紙産地が、
越前市 今立地区です。

日本で最初のお札「藩札」は
越前和紙で発行された史実もあります。
重要な紙を多く漉いてきた今立地区は、
技術が盗まれないよう閉ざされたまちでした。

また、紙の神様が祀られている
神社 岡太神社・大瀧神社もおすすめ。
本殿と拝殿がつながっている
「日本一複雑な屋根」は美しく繊細で、
必ず訪れてほしいスポットです。
産地のこぼれ話

手仕事のまちの新しい兆し

2025年秋には、越前和紙を体感する工芸宿「SUKU」がオープン。また、同世代クリエイター4人によるクリエイティブチーム「閃」が発足するなど、越前和紙の新たな挑戦の風が吹いています。

越前打刃物

武生エリア

刀匠の技を受け継ぐ
実用の刃物

京都の刀鍛冶、
千代鶴国安が刃物製作に適した土地を探し、
現在の越前市にたどり着きました。
そこで近隣の農民の鎌を作ったのが、
越前打刃物の約七百年前の起源です。

国安は刀を造る度に狛犬の形に研石を彫り、
「刀は武士の象徴であり、決して
人を殺すための武器であってはならない」
という思いを込めたそうです。

この精神は現在の職人達にも引き継がれ、
最高品質の“道具”として
人の暮らしを支えています。
産地のこぼれ話

世界を魅了する、伝統の最前線

切れ味が良く軽くて丈夫な越前打刃物は、国内外の料理人から高い人気を誇ります。産地には若い職人が増えており約700年前から伝わる刃物の古式鍛錬法「初打」を元旦に披露する姿は圧巻です。

越前箪笥

武生エリア

三つの匠技が融合した
重厚な家具

奈良時代より伝わる越前指物の技術で
無垢材を加工し、釘を使わない
「ほぞ接ぎ」の技術を用いて作られています。

表面には漆塗りが施され、
装飾には越前打刃物の技術で作られた
「猪目(いのめ)」と呼ばれる
ハート型の金具が使用されています。

越前箪笥は、越前漆器と越前打刃物の
技術が融合した伝統的価値の高い箪笥です。
産地のこぼれ話

産地の玄関口で出迎える、
伝統の総合芸術

北陸新幹線の新駅「越前たけふ駅」には、越前鯖江のものづくりの技が集結した装飾が。注目は、観光案内所で出迎える越前箪笥のカウンターです。人・食・文化が集う地域のランドマーク、ぜひ立ち寄ってみてください。

越前焼

越前町エリア

鉄分豊かな土が生む
自然釉の器

瀬戸焼、丹波焼、常滑焼、
信楽焼、備前焼と並んで、
日本六古窯のひとつに数えられる越前焼。

越前の土の特色を生かした、
素朴で頑丈なつくりで、
温かみのある土と灰釉の味わいを秘めた
土着的な美しさを持っています。

薪で高温焼成することで灰が溶け合い、
素朴で飽きのこない
茶褐色に焼き上がるのです。
産地のこぼれ話

夜を超えてつなぐ、ひとつの炎

毎年春・夏に開催される越前陶芸まつりでは、窯元の作品がずらりと並び、多くの人で賑わいます。作陶のための薪窯焚きは夜通し火の管理が必要な体力勝負で、今では年に一度、多くの作家が集まって窯焚きをします。

眼鏡

神明・鯖江エリア

世界が認める
「めがねの聖地」

冬場の副業として
はじまった福井の眼鏡づくり。

現在では数多くのメーカーや関連事業者が産地を支え、
国内のめがねフレーム生産量の
9割以上を占める一大産地となっています。

世界で初めてチタン製めがねの量産化を実現するなど
その高い技術力は世界的にも評価されています。
産地のこぼれ話

足元から始まる聖地巡礼

鯖江駅からめがねミュージアムまで約900m続く歩道には、メガネマンホールやメガネベンチ、タペストリーが並びます。毎年秋には「めがねフェス」も開催される、眼鏡好きにはたまらないまちです。

繊維

越前鯖江全域

福井の気候が育んだ、
多彩なテキスタイル

福井では、すでに奈良時代から絹織物を
生産していたことが文献にあります。

絹織物に最適な湿潤な気候のもとで
脈々と技術を継承し、
明治時代の近代化を経て、
羽二重の生産で日本一の産地へと成長しました。

その後、時代の変化に合わせて、
主力素材も絹から、ポリエステルなどの化学繊維へとシフト。

現在では衣料品やインテリアだけでなく、
産業資材や先端素材まで幅広い分野で
私たちの暮らしを支える、
日本を代表する産地となっています。
産地のこぼれ話

日常に織り込まれる高度技術

消費者にとって黒子の福井産地ですが、内側には糸から織物、ニット、染色、縫製など、多種多様な技術が交差する奥深い「繊維の生態系」が広がっています。